こんにちは。『365日毎日が出会い』結婚相談所ゆいのはなの代表松本結花です。
さて、 『病める時も健やかなる時も』 この言葉は、結婚式の誓いのフレーズとして、みなさま、よくご存知かと思います。
私は結婚後、この言葉の本当の意味を知る事になります。
18年前、私は、左耳の聴力を失いました。 その時の事は今もよく覚えています。
8月14日朝起きるとめまいがして、顔面蒼白。お盆中だったため、診察してくれる病院を探さなければなりません。電話をかけますが、何の音も聞こえない‥、しかし反対の耳に受話器をあてると繋がっている‥、青ざめました。ようやく診察してくれる池袋の病院がみつかりました。
そこで医師に言われたのが、『ご家族を呼んで下さい』 『お気の毒ですが‥』
え?ドラマでは、よく見たことある風景? 背中を冷たい汗が、つーっと流れました。
突発性難聴という診断でした。
大学病院への紹介状を頂き、即入院です。
重症度から言うと、2番目に悪いグレードで、一生めまいが続くand聴力ゼロの可能性大とのこと。声の仕事をしていた私にとっては『これでアナウンサーとしては、終わった』という烙印を押されたようなものでした。
涙が止まりませんでした。
入院した次の日の朝、 夫が、分厚い資料を私に手渡しました。
突発性難聴は、原因がわからず、代表的治療としては、安静にすることとステロイドの点滴があります。それだけでは不十分と考え、夫は寝ずに突発性難聴の症状が好転した様々な治療例を調べ上げ、資料としてまとめていたのです、徹夜して。
そして星状神経節ブロックや高酸素治療についても対応してくれるよう主治医に直談判したのでした。
その時の夫からは、絶対治したいという愛情と熱意が伝わってきて、フラフラ状態の私にも希望を与えてくれました。
また、心配した実家の母が『耳が聴こえなくなると(夫に)迷惑をかける、実家に戻ってきなさい』と言います。
それに対しても夫は『何を言うんだ、俺たちは夫婦なんだから』と拒否。 当時3歳だった長男の世話も厭わず、進んでやってくれました。
結婚式で夫と共に誓った 『病める時も健やかなる時も‥』 この言葉が、上っ面だけではないんだと心に沁みました。震えました。
『一生歩行器が手放せず、一生船酔い状態が続いている状態かもしれない』私を、 夫は必死に支えてくれたのです。夫に心底感謝しましたし、私はずっと夫を支えていくと改めて心に誓いました。
10日ほど入院しました。
結局、めまいはなくなったものの左耳の聴力は戻らず、耳鳴りも残りました。
突発性難聴は、発症してから早い対応ができるかどうかが、回復の鍵を握ると言われています。
私自身、実は具合が悪くなる2週間ほど前から頭痛がひどくなり全く眠れなくなりました。もともと頭痛持ちだったため、鎮痛薬が全く効かず困ったな‥、くらいにしか思っていませんでした。そして、病院に駆け込む1週間ほど前、頭にモヤがかかったようになりました。いくら頭を振っても、鼻をかんでも、耳がつまった感じがとれません。翌朝には、治ったので気のせいだと勝手に解釈していました。
その時、病院に行っていれば‥、突発性難聴がどんなものなのか知識があれば‥今の状況はかわっていたでしょう。
突発性難聴の3割が通常の聴力に戻り、3割が半分くらいの聴力に戻る、そして残りが聴力は戻らないそうです。私は最後の部類に入ってしまったわけですね。
退院した直後、世の中には音が溢れていました。風の音・雑踏の話し声・電車の音、全てが『うるさくて』耳を塞ぎました。
加えて、歩くのが怖くなりました。
車や人や自転車が、右から近づいくるのか、後ろからなのか前からなのか全く分からないんですね。
会話も左から話しかけるのが、とっても嫌でした。話しかけられても、内容がわからず何度も聞きかえすのですけれど、それに疲れてしまうのです。だから愛想笑いや、そうですねなどと曖昧な返事をしてしまう‥、その繰り返しで落ち込みました。
今は、聞こえないことにも慣れてきました。 耳鳴りには、相変わらず悩まされていますが、 うまく付き合っていこうと思っています。
静寂の世界がもう2度と訪れないと言うことだけは、本当に残念で仕方がありません。
聞こえないと言うことが外見からはわからないため、私は、まず『私は左耳が聞こえません、話しかけて反応がなかったらトントンって肩を叩いて下さい』と最初に宣言したり、 座る位置などについても端っこにしてもらったり、片方が聴こえないなりの工夫ができるようになりました。夫も、『聴こえない方ってどっちだっけ?』と座る位置などを考えてくれますので、日常生活の支障は、多くはありません。
今回は、 結婚式の誓いの言葉は甘いけれど、それを実際に行動に移すのは大変で尊いのだ、という思いをお伝えしたくて、文章が長くなってしまいました‥、お読み頂き、ありがとうございます。
結婚すると色々なことが起こります。いい時ばかりではありません。お互い、ずっと健康でいられれば良いのでしょうが、調子が悪くなる事もありますし、経済的に逼迫する状況に陥るかもしれません。でも2人だからこそ一緒に乗り越えられるものです。
みなさまにも『病める時も健やかなる時も』人生を共に過ごすことができる人と巡り会えますように。
みなさまの婚活を応援しております。一緒に進んで参りましょう。
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